学校が教えてくれない英語の正しい読み方

正しい英語の読み方とは?
みなさんこんにちは。
塾長の西原です。
今回は学校が教えてくれない英語の正しい読み方について解説していきます。
まず初めに正しい英語の読み方とは何か、何をもって「正しい」とするのか決めたいと思います。
今回は私の周りにいる英語を読める人たちに聞いて返ってきた答えを「正しい英語の読み方」としたいと思います。
学校の先生、私以外の塾の先生、帰国子女の友人など様々な人に質問しました。
読み方は大きく2通り
1. 文法で英文を分析する
1つ目が文法を使って英文を分析して読む方法です。
私もこの方法です。
この方法は、生まれや才能に関係なく、努力で習得できるというメリットを上げる人が多かったです。
私もそう思います。
2. 雰囲気で読む
2つ目は文法をあまり意識せず、雰囲気で読む方法です。
雰囲気で読むといってもさらに種類があります。
- 文法をほとんど使わず、「この形の文はだいたいこういう内容」と経験から読む方法
- 単語訳・文法訳から想像する読み方
経験から読む方法は帰国子女の人が多かったです。
彼らは「文法は分からないけど、なんとなく言いたいことが分かる」と口をそろえて言っていました。
帰国子女の人は英語を目にする機会が多いため、「こういう時・場所でこの文を使う」という経験値が多いから読めるわけです。
対して単語訳から想像する読み方を使う人には次の2つの共通点がありました。
- 単語力が非常に高い
- 日本語力が非常に高い
単語訳から文の和訳を想像するので単語力が高いのは当たり前です。
では日本語力はなぜ必要なのか。
単語訳から想像して読む方法は「私+持っている+1つ+ペン」のような断片的な日本語から「私は1本のペンを持っている」と自然な和訳を作らねばなりません。
ですが、英文のレベルが上がるにつれて1文に使われる単語量が増えるため、より長く、複雑な断片的な日本語から自然な日本語を作らなければならなくなっていきます。
これには自然な日本語表現が素早くできるだけの高い日本語力が求められます。
これらのことから、2つ目の読み方は帰国子女のような英語に囲まれた環境または非常に高い日本語力といった努力だけでは補えない特別な要素が必要な特殊な読み方といえます。
今回は2つの読み方のうち、私も使っていて、誰でも努力で習得できる1つ目の「文法を使って英文を分析して読む方法」を解説していきます。
文法を使って英文を分析する読み方とは
それでは、文法を使って英文を分析する読み方について解説していきます。
例文としてI have a pen.という文章を用意しました。
この文を文法を使って分析すると次のようになります。

それぞれ細かく見ていくと、Iが名詞、haveが動詞、aが冠詞、penが名詞です。
そして冠詞のaと名詞のpenを合体させて1つの名詞となります。
最後にIをS、haveをV、a penをOとしてSVOの第3文型と考えます。
品詞=単語のジャンル分け
単語の上に書いてある名詞、動詞などの「XX詞」をまとめて品詞と呼びます。
品詞は単語のジャンル分けを表します。
品詞によって英文のどこに置くべきかルールが決まっていたり、上の「冠詞+名詞=名詞」のように特定の組み合わせを作る決まりがあります。
5文型=英文のパターン分け
英文の下にあるSVOの部分は5文型といいます。
5文型は英文のパターン分けです。
英文はどういう理屈で単語が並んでいるのかわかりにくいのですが、実は5種類のパターンに沿って作られています。
これを5文型といいます。
5文型
それでは5文型について解説します。
一部の特例を除き、この世の英文は5つのパターンに分けられます。
これを5文型といいます。
文型にはそれぞれ和訳もセットでついてきます。
文型の名前 | 英文のパターン | 和訳 |
第1文型 | SV | SはVする |
第2文型 | SVC | SはC |
第3文型 | SVO | SはOをVする SはOにVする |
第4文型 | SVOO(SVO1O2) | SはO1にO2をVする |
第5文型 | SVOC | SはOをCとVする 他 |
さっきのI have a pen.はSVOなので、「SはOをVする」と和訳します。
単語訳を代入すると「私は1本のペンを持っている」となります。
品詞を5文型の関係
次は品詞と5文型の関係について解説します。
5文型で出てきたSVOCという記号ですが、これに品詞が関係してきます。
品詞によってSVOCのどれに振り分けられるのかが決まるのです。
品詞 | 振り分け |
名詞 | S・O・Cのどれか |
動詞 | V |
形容詞 | 単体で使われている場合はC |
この他にも、例文のa penのように2つの品詞を組み合わせて使うものもあります。
組み合わせ | 合体後の品詞 | 例 |
形容詞+名詞 | 名詞 | cute girl |
副詞+動詞 | 動詞 | move quickly |
副詞+形容詞 | 形容詞 | very good |
副詞+副詞 | 副詞 | so fast |
冠詞+名詞 | 名詞 | the book |
前置詞+名詞 | 形容詞または副詞 | in Tokyo |
例文
第1文型
ここまでの知識を使っていくつか例題を分析していきたいと思います。
1つ目はI sleep on the bed.という文です。

まず単語に品詞を当てはめていきます。
Iが名詞、sleepが動詞、onが前置詞、theが冠詞、bedが名詞になります。
品詞を振り分けたら次は合体できる部分を合体させます。
今回は冠詞のtheと名詞のbedが合体してまとめて1つの名詞になります。
次にこのまとめて1つの名詞になったthe bedと前置詞onで前置詞+名詞が作れるので合体させて1つの副詞を作ります。
最後に動詞sleepと副詞on the bedを合体させてsleep on the bedで1つの動詞となります。
次はSVOCを振り分けます。
Iは名詞なのでS、sleep on the bedは動詞なのでVとなります。
この文はSVの第1文型と分かりました。
第1文型の訳し方は「SはVする」です。
「Iはsleep on the bedする」なので「私はベッドの上で寝る」となります。
第4文型
続いてI give him a book.という文を分析します。

まずは品詞からです。
Iが名詞、giveが動詞、himが名詞、aが冠詞、bookが名詞です。
今回も冠詞のaと名詞のbookで合体させて1つの名詞を作ります。
他に合体できる部分はなさそうなので、このままSVOCを振り分けていきます。
今回はIがS、giveがV、himがOでa bookもOという第4文型の構造になっています。
第4文型は「SはO1にO2をVする」と訳します。
それぞれ代入すると、「私は彼に1本のペンを与える」という和訳になります。
第5文型
最後はYou make me happy.という文です。

品詞はYouが名詞、makeが動詞、meが名詞でhappyが形容詞です。
今回は合体するものはなく、そのままSVOCを振り分けます。
YouがS、makeがV、meがO、happyがCのSVOCとなります。
SVOCは第5文型で「SはOをCとVする」と訳すので、「あなたは私を幸せに作る」と和訳します。
最後にこの片言の日本語を自然な表現に直すと「あなたは私を幸せにする」となります。
改めて文法を使って英文を分析する読み方をまとめると次の4ステップになります。
- 単語に品詞を割り当てる
- 合体できるものは合体させる
- 最後にSVOCを振り分けて文型を出す
- そして文型が持つ和訳ルールに当てはめて訳す
品詞以外の文法と5文型の関係
これまで単語に品詞を割り当てて、その後に特定の品詞を合体させたりSVOCを割り当ててきました。
しかし、英文法には品詞以外にも現在完了、不定詞などたくさんあります。
こういった文法はどうするのか、どのようにして5文型に組み込んでいくのか解説していきます。
すべての文法は5文型に組み込まれる
結論から言うと、基本的にすべての文法は5文型に組み込まれます。
4つ例文を出して解説します。
現在完了

1つ目は現在完了を使ったI have known Sam.という文です。
have knownの部分が「have+過去分詞」の組み合わせで現在完了になっています。
この場合、現在完了の部分をまとめて1つの動詞とします。
動詞なのでVが割り当てられます。
不定詞

2つ目は不定詞を使ったI want to play tennis.です。
to play tennisの部分が不定詞という文法になっています。
今回は不定詞をまとめて1つの名詞として扱います。
今回はOになります。
分詞

3つ目は分詞です。
The boy singing a song is my brother.が例文です。
singing a songの部分が現在分詞になっています。
今回の現在分詞は形容詞的用法となり、The boyの名詞と合体してThe boy singing a songで1つの名詞となります。
関係詞(関係代名詞)
最後は関係詞です。

例文はThe man who took my pen is Yosuke.です。
who took my penの部分が関係詞という文法になっています。
今回の関係詞は形容詞的用法で使い、The manの名詞と合体してThe man who took my penで1つの名詞となります。
このように、品詞以外の文法も最終的には5文型に組み込んでいきます。
分析しないと文法は使いこなせない
学校の授業だと、文法は作り方と和訳を教えて終わってしまうことが多いです。
例えば不定詞なら「to+動詞の原形」で作り、「~すること」「~するべき」「~するために」という和訳を教わって終わりです。
英文にどのように組み込まれているかは教わりません。
これだと、不定詞の部分は訳せても文全体の和訳は出せません。
実際私のもとに来る生徒さんも、文全体の訳を出すのには時間がかかるけど不定詞の訳だけはすぐに出る子が多いです。
ではなぜ教えないのか。
それは学校では5文型を教えていないからです。
もともと5文型を教えていないので不定詞などの文法を英文に組み込む理屈を教えようにも教えられないのです。
なぜ5文型を教えないのか
ではなぜ5文型を教えないのか。
私も謎だったんですが、今回質問した学校の先生が口をそろえて言っていたのは「もともと義務教育カリキュラムに入っていない」ということでした。
確かに言われてみると中学校の授業でSVOCが出てきた記憶はありません。
私はその後高校でいきなりでてきて混乱した記憶があります。
仮に義務教育に5文型が入っていないとすると、なぜ入れていないのか理解に苦しみます。
私は5文型を使わずに英文の構造を理解することは不可能だと考えています。
先生方にも同様の意見をお持ちの方は多く、学校のカリキュラムの合間に独自に教えているという方もちらほらいました。
私が教えている生徒にもそういった授業を受けたという子はいました。
しかし、本来のカリキュラム外の内容なのでしっかり教えるだけの時間が取れず付け焼き刃になってしまっているのが実情です。
日本人の英語苦手問題
私は個人的に5文型を学校で徹底的に教えないことが日本人が長年抱える英語苦手問題の原因だと思っています。
繰り返しますが5文型が分からないと英文の構造は分かりません。
構造が分からないまま不定詞だの現在完了だの勉強したところで英語は読めるようにはなりません。
そうなると不定詞なら「~すること」などのように和訳でしか文法を扱えなくなってしまいます。
結果、単語訳+文法訳で内容を想像する読み方に自然となってしまうわけです。
ですが最初に解説したように、この読み方は高い日本語力が求められます。
さらに文法の和訳は毎回同じとは限りません。
不定詞だって「~すること」「~するべき」「~するための」と複数あります。
構造が分かる人はそこから判断できますが、分からない人は毎回全部当てはめて確かめるしかありません。
当然時間がかかりますし、文法上の根拠がないので誤訳も増えます。
こうして日本人はずっと英語が苦手なわけです。
西原塾では5文型を徹底的に学べます
西原塾では5文型を徹底的に学べます。
5文型の分類から不定詞などほかの文法の組み込み方など、英文を分析する読み方をマスターできます。
授業は塾長と生徒のマンツーマンです。
個別指導によくある、1人の先生が複数の先生を並行して見るということはありません。
オンライン授業ですので全国どこからでも授業を受けることができます。
英語が読めず悩んでいる方、ぜひお問い合せしてみてください。
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