英語は単語訳から推測せず、文法も使って論理的に読もう【高校入試・大学入試】
目次
自己紹介
はじめまして!
私は勉強嫌い、英語嫌い、海外への興味なし、
なのに英語塾の塾長をしている西原陽介といいます。
勉強嫌いで海外にも興味がないということは、
「好きこそものの上手なれ」で英語を習得したわけではないということになります。
小4から英語塾に通い始めて約11年、いろんな塾・予備校・参考書でイヤイヤ勉強した末に英語を論理的に読む技術を身に着けました。
今振り返ってあまり効果的でないと感じる勉強もたくさんしました。
ここではそんな私の11年の努力から最小限の知識と努力で誰でも知識ゼロから英語を論理的に分析して読む技術を解説します。
単語読みについて
みなさんは英語を読む時に単語の訳を並べてそこから推測していませんか?
例えば”I want to play tennis.”という文なら、
I → 私
want → ~したい
play → 遊ぶ
tennis → テニス
これを並び替えて「私はテニスで遊びたい」と訳していませんか?
日本の中学校・高校のカリキュラムだとほぼすべての日本人はこの単語読みから始まります。
私も最初、というか大学に入るまでずっとこの読み方をしていました。
この読み方は間違いではないのですが、実は1つ大きな弱点があります。
単語読みの弱点
単語読みの弱点とは、文が長くなるにつれて正確な和訳が出しにくくなることです。
例えば、”I led him to offer a theory that plants restore it.”という文を単語読みすると、
I → 私
led → 導いた
him → 彼
offer → 提案する
a theory → 理論
plants → 植物
restore → 復活させる
it→ それ
これを並び替えて和訳を出すことになります。
意外と難しいと思うのですがどうでしょうか?
少なくとも少し考えないと和訳できませんよね。
試験では長文をいくつも読まなければならないため、1文にそこまで時間をかけてはいられません。
これが単語読みの弱点です。
ちなみに、この文は過去に大学入試で実際に使われた文を少し簡単にしたものです。
単語読みの弱点の理由
長い文章で単語読みがしにくい理由は、実は英文は単語の訳だけではなく、「単語訳+文法訳」で構成されていることにあります。
つまり、単語読みだと文法訳が抜け落ちてしまうのです。
そして文が長くなればなるほど使われている文法の数も増えていくため、その分抜け落ちる文法訳も増えてしまい、言葉足らずになってしまうわけです。
そしてそれを想像で補わなくてはならないため時間がかかり、かつ和訳の正確さが安定しないのです。
私は単語読みは簡単な文には使えても、難しい文になればなるほど使いにくくなる読み方だと思っています。
また、この単語読みこそ日本人が長年英語を苦手とする最大の理由だと思っています。
英語を論理的に読むとは
「英語を論理的に読む」とは英文に何の文法が使われているか分析して、「単語訳+文法訳」で和訳を出す読み方です。
先程の”I led him to offer a theory that plants restore it.”の文を論理的に読むと次のようになります。
このように英文を分析することを品詞分解と呼びます。
英語を論理的に和訳する
何の文法が使われているのか論理的に分析した次は、論理的に和訳していきます。
いきなり文全体を和訳するのではなく、文法訳を使ってブロックごとに和訳を出して、最後にそれらを組み合わせて文全体の訳にします。
- “offer a theory”はV’O’の構造。
V’O’の文法訳は「O’をV’する」なので、「(1つの)理論を提案する」 - “plants restore it”はS’V’O’の構造。
S’V’O’の文法訳は「S’がO’をV’する」なので、「植物がそれを復活させる」 - 同格のthat節は直前の名詞の説明、つまり「a theory=that節」となる。
よって「植物がそれを復活させるという(1つの)理論」 - “I led him to offer a theory”はSVOCの構造。
SVOCの文法訳は「SはOがCするようVする」なので、「私は彼が理論を提案するよう導いた」 - これらを組みわせると、「私は彼が『植物がそれを復活させる』という理論を提案するよう導いた」
これがこの文章の和訳となる。
※少しわかりにくい和訳だが、「私は彼が理論を提案するよう導いた」が本質的な意味で、どういう「理論」なのかの説明が『植物がそれを復活させる』なのだと考えると分かりやすくなる。
ブロックごとに和訳を整理して和訳できるのが品詞分解の強み。
英語を論理的に読むメリット
英語を論理的に読むメリットは文法訳を取りこぼさない以外に3つあります。
1. 単語読みと比べて、和訳する時に次に何を考えたらよいか分かりやすい
単語読みは限られた情報から内容を想像する作業なので、思いつかないときはそこから何をしたらよいか分からなくなりがちです。
論理的に読む場合は文法というルールを機械的に当てはめるだけなので、パズルを組み立てる感覚で作業を進められます。
2. 自分の和訳に自信が持てる
単語読みはどこまでいっても結局は想像なので、「もしかしたら違う内容かも」という疑念を捨てきれません。
論理的に読むと「なぜこの和訳になるのか」が明確なのでそういった不安を捨てられます。
また、自分がどの文章を読めていないのかも明確になるので、時間をかけて考えるべきところを絞ることもできるようになります。
3. 英作文ができるようになる
論理的に読める人は当然英作文もできるようになります。
最近のリーディング偏重傾向では生きる場面は少ないですが、高校・大学入学後や社会に出たときに役立ちます。
英語を論理的に読むデメリット
もちろん論理的に読むというのは唯一絶対の方法ではないので、デメリットもあります。
1. ある程度訓練しないと、単語読みより読むのが遅くなる
単語読みは「単語訳を出す→内容を想像する」の2ステップですが、論理的に読むとこれに品詞分解する手間が追加で必要になります。
慣れると品詞分解はスムーズにできますし、最終的には品詞分解しながら和訳も並行して出せるようになるのですが、そこまでたどり着くにはそれなりの訓練(読書)量が必要になります。
2. 人によっては単語読みで読める
長い文章でも単語読みで正しい和訳が出せる人もいます。(ただし大学入試レベルが読めるのはごく少数。)
そういう人は品詞分解の時間が余計にかかるだけなので、この読み方は不要かもしれません。
ただし、このタイプの人は「読めるけど書けない」ことが多いので、将来的にどこかで困る可能性があります。
先のことを考えるならばどこかで品詞分解を学んでおいたほうが良いとは思います。
どうすれば英語を論理的に読めるのか
英語を論理的に読むためには、文法を学ぶ必要があります。
中1から高3までの6年間でたくさんの文法を学びますが、実ははじめからこれらすべてを網羅する必要はありません。
最初はたった5種類の文法だけでいいです。
その文法とは、品詞、五文型、to不定詞、分詞、接続詞・関係詞です。
まずはこの5種類の文法をマスターしましょう。
それだけで高校入試だけでなく、大学入試の英文もある程度論理的に読めるようになります。
簡単に解説すると、実は英文は五文型と呼ばれる5つのパターンしかありません。
(一部特殊な構文はありますが少ないです。)
そしてこの5つのパターンに、to不定詞、分詞、接続詞・関係詞を追加していくというのが基本的な英文の組み立て方になります。
この基本は高校入試も大学入試もその先も一緒です。
西原塾オリジナルテキスト
5種類の文法を丁寧に解説した、西原塾オリジナルテキストです。
さいごに
西原塾では英語を論理的に読む方法を生徒ひとりひとりにマンツーマンで指導しています。
オンラインで全国どこからでも授業が受けられます。
「自分ひとりで勉強するのは不安…」
「英文を解説してくれる人がいない…」
などお悩みでしたらぜひ一度相談してみてください。
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