英語の偏差値を上げたいのなら長文を読めるようにしよう!

みなさんこんにちは。塾長の西原です。
今回はよく聞かれる質問に答えていきたいと思います。
質問は「英語の偏差値を効率よく上げるにはどうすれば良いですか?」という内容。
それでは答えていきます。

英語の偏差値を上げるには?

とにかく長文を読み取る力(=長文読解力)が必要不可欠です。

なぜ長文読解力が大切なのか?
まず問題の配点が異なります。同じ1問でも長文問題とそれ以外では点数に倍近くの差が出る事もあります。そのためリスニングや、並び替え・穴埋めなどの単語・熟語力に特化している子よりも単語や熟語はあまり知らないけど長文はなんとなく意味がつかめて解けるという子の方が高得点が期待でき、偏差値も高く出る傾向があります。
ちなみに私が中学生の頃はこちらのタイプでした。文法は知識ゼロ、単語・熟語力は教科書レベルの基礎のみでしたが、単語から文の意味を推測して答えるというほぼ国語力の力技で偏差値50台後半〜60台半ばを維持していました。

また、最近では並び替えや穴埋め問題が減り、文章問題ばかりになっているというのも理由の一つです。最近は「リスニング問題+絵&少量の文章問題+中程度の文章題2問+長文問題1問」という構成が多く、ほとんど文章問題ばかりになっています。そのため文章問題に慣れていないとほとんどの問題が解けません。また、文章問題が多いという事は時間配分がシビアになります。まとまった長さの文をある程度早く、ある程度正確に読めないとテスト自体が時間内に終わりません。

長文読解力を身に付けるためには?

西原塾では3つのステップで長文読解力を身に付けさせています。

ステップ1

まずは基礎的な文法をしっかり理解し、体に染み込ませましょう。
具体的には

  • 品詞(名詞や動詞など)
  • 五文型(SVOやSVOCなど)
  • 不定詞・動名詞・分詞(to+動詞の原形など)
  • 接続詞(andやbutなど)
  • 関係詞(thatやwhichなど)
  • 疑問・否定文(isn’t〜やDo you〜など)
  • 助動詞(canやmustなど)
  • 受動態(was received〜など)
  • 各種時制(〜ingや〜edなど)

です。かなり多いように見えますが、これでだいたい中学3年間分です。
西原塾ではこれらを塾長がアメリカで受けた授業を元に分かりやすくまとめた専用のテキストを用いて短期間で集中的に教えています。西原塾で使っているテキストはここから取り寄せることができます。

自分で勉強している方はとにかく細かい用法は覚えなくていいので、とりあえずは教科書の太字になっているところだけで構いません。一番の基礎だけ理解できていれば十分です。
特に品詞五文型は知っているのと知らないのとでは英語の理解力に天と地ほどの差が出ます。

ステップ2

ある程度単語や熟語を覚えましょう。
さすがに単語の知識が中1止まりでは受験問題は解けません。少しは覚えていかなければなりません。が、専用の分厚い単語集などをやる必要はなく、教科書に出てくる単語をしっかり覚えていれば問題ありません。偏差値65以上の上位の私立校を目指すような子でなければ単語や熟語専用の勉強は必要なく、教科書の単語と普段の練習問題に出てくる単語を覚えていけば十分間に合います。

ステップ3

とにかく英文を読みまくりましょう。
必ずしも問題を解きまくる必要はありません。もちろん解きまくっても構いませんが、できれば英語の長文を読むだけというのを数多くこなすことを勧めます。
中学3年生までの文法や単語レベルで書かれた易しい文章を数多く、繰り返し読んで行くだけでいいです。それこそ教科書レベルの文章で作られた長文で構いません。過去の都道府県立問題なんかは入手も容易で難易度もちょうどいいですね。

ちなみに西原塾では洋書(全文が英語で書かれた本)の小説を読んでもらっています。生徒が読んだ本については、その本を元にした読解問題や、読んだ本について簡単な論文(読書感想文レベル)を書かせています。塾長も同じ本を読み、正誤や理解度について厳しくチェックしています。

問題を解くことよりも英文を数多く読み込むことを勧める理由ですが、「英語を英語のまま」流して読む力を養うためです。この「英語を英語のまま」読む力というのは、わざわざ「この動詞はこういう意味で…この関係代名詞節は…」と考えなくとも頭から流して訳すことの出来る力のことです。
たとえば、

  • I have a pen.
  • という文章は何も考えなくとも訳せると思います。
    では、次はどうでしょう。

  • I couldn’t find the book I want to read in the library.
  • 少し頭を使わなければ読めないと思います。1文に「関係詞の省略と用いた関係詞節」と「to不定詞」を組み合わせた文です。ちなみにこれは平成27年度の栃木県県立入試問題の大門2から抜粋しています。

このレベルの文で構成された長文問題はいちいち「これは何詞で…」などと1文づつ考えている暇はありません。何も考えずとも頭から訳していける状態、つまり「I couldn’t find the book I want to read in the library. 」という文を「I have a pen. 」という文を読んでいるのと同じように訳すことができる状態にする必要があります。このためには「問題を解く」という意識よりも「英文を読む」意識の方が重要になってきます。

問題を解くとなるとどうしても先に問題から読んで本文を理解しやすくしたり、全文を読まずに問題の前後だけを読んで時間短縮を図ったり…などのテクニックに走ってしまい、純粋な英文読解力ではない受験用の読解力が先に身についてしまうことが多いです。受験用の読解力というのは聞こえは良いですが、こういうテクニックに強い子は読み込む素の力が高い子に比べ安定性に欠けます。

単純な話、「試験と同程度のレベルの洋書がある程度スラスラ読めれば受験なんて怖くない。」ということです。
「いかに素早く問題を解くか」に集中するのではなく、「いかに文章を素早く読み理解するか」に力を注ぐべきだと私は思っています。問題を解くスピードは自然とついてきます。
「中学生が洋書を読む」というのは無理だと親御様や生徒本人から言われるのですが、あえて断言します。
「中学生でも洋書は読めるようになります。」
もちろん幼稚園、小学校から英語に親しんでいる必要はありません。

最後にいろいろ言いたい事もあるのでこの質問を取り上げます。

熟語や〜構文は重要ですか?
学校のテストではよく問われますが、入試や模試ではあまり出ません。ので、上の3ステップが終わる、またはある程度完成してからで良いと思います。最悪やらなくてもいいです。教科書や練習問題で出た時に覚えるくらいで十分です。

もちろん多くの熟語や構文を読めた方が良いですし、中には覚えなければならない頻出のもあります。ですが、熟語や構文ばかり覚えている子に言いたいのは「熟語や構文が分かっていても読める(書ける)のはその文だけ」だという事です。

例えば、「too-to構文」というのがあります。「It was too difficult for me to answer the question. 」などのように使い、「動詞するには形容詞過ぎる」と訳します。この構文は問われることの多い頻出構文ですが、この構文の仕組みを覚えたところで解けるのはこの「too-to構文」を用いた問題だけです。費用対効果が低いと思いませんか? 五文型なら5つ覚えればぼぼ全ての英文が読めるようになりますが、5つの構文では5種類の決まった形の文しか対応できません。少なくとも優先順位は低くなると分かっていただけると思います。

ですが多くの子供達は先に単語、熟語、そして構文から入ります。これは日本の英語教育の悪しき習慣です。日本では英文の成り立ちを教えず文の一部でしかない単語、熟語、構文ばかり教えています。中学時代の私もそうでしたが、多くの子供達は「too-to構文ってなんですか?」「現在完了形ってどう作りますか?」というルールを問う質問には答えられますが、「では実際にそれらを使って文を作ってみてください」と言うと途端に手が止まってしまいます。「too形容詞-to動詞の原形」や「have+過去分詞」というルールは分かっていても、それをどこに入れれば良いのか、他の部分はどう作れば良いのか分からないのです。ピッチャーが様々な変化球の投げ方を知っていても根本的に野球のルールを知らないような物です。当然これでは文が読めなかったり、読めても一部しか訳せないのでそこから想像力を働かせてあらぬ和訳をしてしまう事が多くなります。結果「英語が読めない」という苦手意識を持つ事になってしまいます。

日本語を話す時に倒置法や比喩表現などの「構文」にばかりこだわる人はいないと思います。英語も同じです。そういった特例にこだわらずまずは基本的な表現の仕方、日本語で言えば「主語+述語」からしっかり理解していく事がとても大切です。

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