「英語が苦手な理由」と「正しい勉強法」

英語が苦手=文章問題が
苦手ということ

高校入試にせよ大学入試にせよ、
多くの試験で英語は文章問題が
7割近い配点を占めています。

Screenshot 2016-05-23 13.20.07

これは2016年に行われた
センター試験英語の配点表です。
英文を読んで問題を解く、
文章題だけで142/200あります。

Screenshot 2016-05-23 13.30.21

こっちは2016年に行われた
東京都立入試英語の配点表です。
文章題だけで80/100もあります。

つまり、英語が苦手で点数が低い
というのは、文章問題を落としている
からと言えます。文章題が取れれば
それだけで過半数ですから。

文章問題が苦手な理由は
大きく分けて2つ

ではなぜ文章問題が
解けないのでしょうか。

私の学生時代の経験と、
塾講師としての指導経験から
2つのパターンに分けられます。

  1. 英文が読めていない
    =英文が何を言っているか分からない。
  2. 英文を読むのが遅い
    =時間内に解き終わらない。

ではそれぞれ原因と
問題点を考えましょう。

理由1:英文が読めていない

なぜ英文が読めないか。
それは単純に文法の知識不足です。

日本の英語教育は文法偏重と
言われているくらいなので
ここは大丈夫そう・・・?

とんでもない。
問題だらけです。

日本の英語教育における
文法授業は3つの問題を抱えています。

  1. 英文を理解するために最も重要な「品詞」「五文型」が授業範囲に入っていない。
  2. 「現在進行形」「現在完了形」などの時制文法に偏りすぎている。
  3. 単元ごとに指導するので、生徒が文法をパターン化して覚えてしまう。

これもそれぞれ簡単に
説明していきます。

英文を理解するために最も重要な「品詞」「五文型」が授業範囲に入っていない。

英語が苦手と言っても、
“I have a pen.”が
読めない人はいないでしょう。
ですが、これがなぜ
“I a pen have.”や
“I have pen.”ではダメなのか
説明できますか?

“I want to do my homework.”
と”I have a pen.”が
大きくは同じ構造の文だと
説明できますか?

これらを説明するために欠かせないのが
「品詞」「五文型」です。
すべての英文は5種類に
分類されるので五文型は
英文の説明書と言えます。
そして、品詞はその五文型を
構成する部品になります。

品詞と五文型は英語の根幹構造を
理解する必須文法なのですが、
なぜか日本の英語教育には
含まれていません。

私立中学・高校や受験指導塾に行かないと
教えてくれません。受験指導塾でも
教えていないところもあります。
大手塾は教えていないところが多いです。
僕は大学生まで教わりませんでした。

まれに公立の先生でも五文型を教えている
人がいますが、いかんせん中学・高校で
指定されたカリキュラム外のため、
十分な時間が取れず付け焼刃的指導に
終わっています。

「品詞」「五文型」が
教えられていないので、
日本の英語教育では
英語の根本的な成り立ちを
学べないのです。

「現在進行形」「現在完了形」などの時制文法に偏りすぎている。

英語が苦手と言っても、意外と
文法は覚えている子は多いです。
“be動詞+ing=現在進行形”や
“have/has+過去分詞=現在完了形”
など聞くとみんなよく覚えています。

2つ目の問題点は、こういった
時制文法では英文そのものを
読めるようにはならないということです。

英文は読めないけど、習った文法だけ
見えているという意味のない状態になります。

例えば、
“They are running in the park now.”
という文をみて、”be動詞+ing”があることは
分かるけど、他はどういう構造なのか
よくわからないという感じです。
こういう子はかなりいます。
僕も学生時代はそうでした。

主語を省略すると命令文になるとか、
“be動詞+ing=現在進行形”とか
“will”が未来を表すとかは
無駄ではありませんが、それでは
その文法が使われた文しか
読めるようにはなりません。
それどころかひどい子は
その文法が使われた部分しか
読めるようになりません。

日本語で言うところだと、
主語述語の構造が分かっていないのに
疑問反語や倒置法を覚えている
といった所でしょうか。

無駄では無いにしろかなり非効率的です。
にも関わらず日本の英語授業は
こういった細かい文法ばかり
教えています。

単元ごとに指導するので、生徒が文法をパターン化して覚えてしまう。

先日Twitterにこんなことが
書かれていました。

受動態に書き換えなさい。
Many people visit Kyoto every year.

Many people are visited Kyoto every year.
定期試験の勉強のために練習問題を
やらせたら全問こんな風に書き換えた生徒が。

これは”受動態=be動詞+過去分詞”と
パターン化して覚えている結果です。
だから主語(動作主)の
概念がなく、とんちんかんな文を
書いてしまっています。
ちなみに下の文は、
「沢山の人が京都に(よって)訪れられている」
という意味になります。
その上文法も間違えています。

この様に文法を公式だけ
パターンにして覚えて
しまっている子はとても多いです。
(あくまで実際の例として
挙げさせていただいています。
指導にケチをつける意図は
全くありません。)

“受動態=be動詞+過去分詞”が
完璧に分かっていても、
その他前後の部分の作り方が
分かった上で文全体が
理解できないと英文は読めません。

日本の教育だと、
“受動態=be動詞+過去分詞”
という公式をまず教えて、
教科書やワーク、
問題集で練習します。

まず問題なのはあらかじめ
「今日は受動態をやります。」
授業自体や教科書・ワークが
ご丁寧に宣言しているところです。

何の単元なのか教えてくれている
のですから、間違える確率は
だいぶ減ります。当然です。
例えば穴埋め問題だったら
当然”be動詞+過去分詞”が
問題となっているはずですから。

おまけに例文が最初に出ているので、
その例を見よう見まねで使えば
問題は全て解けてしまいます。
文全体の構造が分かっていなくても、
教科書・ワークは解けてしまうのです。
そして教科書やワークをもとに
定期考査は作られています。
こんな授業を繰り返している
のですから、文法は理解できません。
よくわからないけど公式だけ
パターンとして丸暗記することになります。

その結果が最初のお話です。

英語が苦手な子と言うのは
総じてこのパターン暗記で
英語を勉強しています。

これでは単元ごとのテストなら
解けますが、入試では単元など
関係なしに英文が出ますので、
英文の集合体である
長文が読めないのは当たり前です。

理由2:英文を読むのが遅い

英文が読めない理由は説明しました。
では次は英文を読むのが遅い理由です。

これは簡単です。
英文を読むことに慣れていないから。
この一点に尽きます。

日本語で考えてみましょう。
みなさんは新聞・小説・
ネット上のサイトなどいろいろな
ところで文章を読みますよね。

今では普通にスラスラと
読めると思いますが、
小学生や幼稚園の頃は
同じように速くは
読めませんでしたよね。

つまり、小学生や幼稚園の頃と
現在の間に何か文章が速く
読めるようになる理由が
あるということです。

何かしましたか?読む訓練。
していないのではないですか?
ただ歳を重ね、日常生活を
繰り返してきたら自然と
文章を読むスピードが
上がってきませんでしたか?
これが「慣れ」です。

本や新聞、看板、雑誌、マンガ、
携帯電話、パソコン、などなど
色んな所で日本語を目にし、
読んでいたら自然と
速く読めるようになったはずです。

もちろん加えて、読書家の人は
慣れ具合が違うので本を読まない人
よりも速く文を読めるでしょう。

同じことを英語でも行えば良いのです。

では正しい
英語の勉強法とは?

英語の成績が低くて苦手というのは
大きく分けて2つの理由がある。

1つ目は英文が読めていないから。
2つ目は英文を読むのが遅いから。

そして、1つ目の理由は
・品詞と五文型を教えていない。
・時制などの文法に偏っている。
・文法をパターンで覚えている。
という問題点があり、

2つ目の理由には
・英語を読み慣れていない
という問題がありました。

では、それらを改善した
正しい勉強法とは何でしょうか。

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