落ちこぼれはなぜ生まれるのか?生まれる理由と解決法

みなさんこんにちは。
塾長の西原です。

今日は趣味のボーリングで知り合った方に、「自分の子供が勉強が全くできず困っている。陽介君が面倒を見てくれないか?」と頼まれたので現在の状況を確認するために直接会ってきました。

彼は今年の4月に中学3年生になった男の子でしたが、

  • 集中力が持たないので長文を読む事ができず問題を解く以前の問題な国語
  • 「x」や「y」を使った中1の範囲の文字式すら分からない数学
  • 5文型やbe同士はもちろんサッパリ、さらに「春日部(かすかべ)」をローマ字で書けないレベルの英語

と久しぶりに「よくここまで落ちこぼれたな」と思わせる子でした。

ついこないだまで小学校に通っていたなら、中学に入り本格的に勉強をするようになって本人の問題点に気づくのも分かりますが、この子は今年で中3です。さすがに問題に気づくのが遅すぎではないでしょうか?

または問題を見て見ぬ振りをして放置していたのか。どちらにせよこれはこの子だけでなく周りの人間の責任でもあると私は考えます。

今回は根本的に、落ちこぼれとはどうして生まれるのか考えていきたいと思います。

落ちこぼれはなぜ生まれるのか

結論から言うと、誰も子供に責任を持たないからです。
小中学生の周りにいるにいるのは主に「親(家族)」「学校」「塾」ですが、彼らは子供に対する責任を果たしているようで、実際には他の2者に任せてっぱなしになっている場合があります。例えば親が子供の勉強を「学校」や「塾」に任せているように。

「落ちこぼれ」というのは子供が「親(家族)」「学校」「塾」の3者からたらい回しにされた結果、生まれます。
また、今落ちこぼれている子でも上の3者の内1つでもどこからか本当に心配され、ケアされればそこから這い上がることができます。

それぞれがどう他に任せているのか詳しくご説明します。

親(家族)

今の親はとても忙しいです。家事や仕事があり、昔以上に子供と向き合う時間は減っているのではないでしょうか? 片親の家庭はより時間的に厳しいものがあると思います。

結果として日々の生活に追われ子供の面倒を「学校」や「塾」に任せっぱなしになってしまう家庭がとても多いです。「勉強は学校が教える物」「塾に行っておけば安心」と子供を他人に任せてしまう。

また、小中学生がその時期に学ぶべき事は受験のための勉強だけではありません。学力以外にも性格や考え方など「人間性」が定まるのはこの時期です。以前はともかく現在の学校や塾はこのような形で子供達を支える所ではありません。

どうするべきか

別に小中学校レベルの勉強を親が教えろというのではありません。せめて子供がどれくらい理解できているのか、またはどれくらい理解できていないのか、遅れているのかを見てあげることが重要です。「勉強は学校の先生や塾の先生が見てくれるから安心」と任せっぱなしではなく、「この子はここがよく分かっていない様なので教えてあげてほしい」「この子は長い文を読むのが苦手なので練習させてあげてほしい」など子供の特性をしっかり伝えることで学校や塾と連携が取れ、より良い指導が可能になります。

私の両親は共働きでしたが子供のことはしっかり見ていてくれました。私が小学1年生の頃に夏休みの読書感想文が書けず悩んでいたのを見かねて、父と母がつきっきりで1週間教えてくれたのは今でも覚えています。他にも理科の実験など困った時には支えてくれていました。

この経験による「親は僕のことを見てくれているんだ」という認識は大きな支えになりました。その後中学3年生の時にいじめられる事こそありませんでしたが、身体的特徴によりからかわれた時はこの認識により「自分は一人じゃない」と不登校になる事なく一歩手前で踏みとどまる事が出来ました。このことを子供達に認識させることが非常に重要です。その点において親(家族)の存在、特に「私の親(家族)は私を守ってくれる、支えてくれる味方なんだ。」という認識は精神の健康面から非常に重要です。

私も共働きの家庭で育ちましたので働きながら子供の面倒を見ることはとても大変だと分かっています。決して簡単ではないでしょう。ですがよく考えてみてください。「あなたが働いているのは誰のためですか?」5分10分でも構いませんから子供に勉強や学校生活について聞いてみてください。子供が話してくれるのを待っていてはダメです。子供は親に迷惑をかけたくないなどの理由で自分から話す事はありません。

学校

学校は道徳などの授業を通じて子供たちの性格や考え方などの人間性を導く場所と、受験のための学習指導を行う場所という2つの側面を持っています。
以前の塾長ブログで書いた様に今の小中学校の教員には生徒一人一人に構っている時間はありません。上で挙げたように彼らもまた自分の授業の準備や部活動の監督、事務処理などの雑務に追われ生徒一人一人に向き合う時間がないのです。

彼らからすれば、

  • 子供達の人間性は親や家庭が管轄するべき課題であって、赤の他人である我々が深く踏み込む事ではない。
  • 学習指導は受験に特化した内容を塾が行うのだから学校がとりたてて力を入れる必要はない。

という考えなので前提として子供達に対する責任など負っていない。あくまで義務教育としての指導を行うだけ。というスタンスです。

なので、受験では長文読解が出題されるのにもかかわらず日々の授業内容が教科書の「。読み(マル読み)」だけだったり、5文型や品詞を教える事なく熟語や構文だけをひたすら教えてクラス内で会話の練習をさせていたりとどうでも良い、全く無意味な指導が今尚続けられているのです。

学習指導だけではありません。私の生徒に実際に合った出来事では、

  • ある子(私の生徒)が身体的特徴について非常識なレベルで冗談を言われたり、からかわれたので反撃したら、その子が親に泣きつきその親が学校に連絡し、学校が双方の本人と親を呼び出して会議になった
  • ある子(私の生徒)が学校の廊下で突然すれ違いざまに肩をぶつけられ、ぶつけた来た子が先生に報告し双方が呼び出された挙句親にまで連絡し、危うくぶつけられた子が悪者扱いされる

他にも多くの事例を聞いています。今の小中学校の教員には生活指導も以前と異なりおざなりになっています。学校は時間もやる気もないので子供の話を表面のみ聞いて鵜呑みにし、すぐに問題を鎮静化させようとします。こんな環境では子供達の人間性も正しく導かれるはずがありません。

どうするべきか

私にとって今この「学校」というのは上に挙げた「親(家族)」「学校」「塾」の中で最も不要な物です。ちなみにここでの「学校」とは私立の小中学校でない物を指します。
今の学校では子供の性格など本質的な人間性と言われる部分は「親(家族)」に任せて、学習指導は「塾」に任せています。では「学校」は一体何を教えているのでしょうか?

私は小中学生の頃いじめられたとか、不登校だったとか嫌な思い出は全くありません。クラスの中心ではありませんでしたが、中心にいる子達ともそれなりに仲良く過ごせていました。勉強は全くしませんでしたが、可もなく不可もないレベルの中ではどちらかと言うと「可」に近いぐらいで最終的には偏差値60程の高校に進学し、うまく世渡りできていたと思います。

ですが、今当時のことを考えて「良かったな」や「意味があったな」と思うことは何一つありません。むしろ当時の生活が今の自分の足を引っ張っているとさえ思っています。当時受けていた学校での授業なんて受験にはまるで役に立ちませんでしたし、性格や考え方は親や読書を通じて培われました。その読書も父の影響で好きになりましたから私にとって「学校」とは「いじめられたり一人にならないためにいかに周りに嫌われたり浮いたりせず、波風立てずに程よく楽しむか」を学ぶ場でしかありませんでした。そういう意味では集団生活や協調生は育まれたのかもしれません。個性は死にましたが。

私は現状の国が運営する学校教育には価値を感じていません。学校というのはその構造上変わる事はそうそうないでしょう。また多数の一個人が不満を述べた所で正しい方向に変わるとも限りません。よって我々ができる対策法などありません。価値ある教育を受けるには私立の学校へ通うべきです。

学習塾というのは多くが塾長ブログ: こんな塾には気をつけよう「バカな親と子供を食い物にしている塾」で述べた様な、子供達やその親への責任など考えていない所ばかりです。「成績が上がらないのは塾の指導ではなく本人の努力不足」として。もちろんこの考えは正しいのですが、それを盾に生徒への指導を怠るのは言語道断です。

彼らからすれば塾へ来てお金を払ってくれればそれで良いので、あれやこれやと甘い言葉で生徒と親を騙し、少しでも在籍させようとします。塾に通っているのにもかかわらず勉強ができない…そんな子周りにいませんか? 彼らは「食い物」にされているのです。

どうするべきか

対処法は2つです。

  • 子供達の学習状況をしっかり把握する。(「あれできていない」「ここ勉強しろ」と干渉する必要はなし)
  • お金儲けのビジネスとしてではなく、「教育」としての学習塾運営をしている塾、講師を見つける

ある意味良い塾を見つけることが一番難しいのかもしれません。何と言っても一度入ってみないとどういう教育をしているか分からないからです。入塾時は聞こえの良いことばかり言っても入ってみたら良い扱いされるのは上位数%の生徒だけ…なんてのはざらにあります。私が中学生の頃はそういう進学塾に通っていました。

チェーン的に運営されている大手よりも、個人が運営している小さな学習塾の方が適していることが多いです。大手はどうしても利益のために効率化せざるを得ないので、結果として落ちこぼれている子は放置して上位の子だけチヤホヤ…という構図になりがちです。

もしお近くに「教育」に熱意を持った学習塾がないという方はぜひ一度西原塾へご相談ください。

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塾長: 西原陽介ってどんな人?

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